能登半島地震 使用実例 

株式会社マルハン七尾店                                                       2024年1月3日から16日までの14日間「ほぼ紙トイレ」を昼夜一般解放し近隣住民に貢献

2024年7月1日                                                                                今回の能登半島地震で被災され実際に「ほぼ紙トイレ」を使用されたマルハン七尾店の高橋店長に当時の状況をお聞きする機会を頂きました。           

設置(組み立て)       

カワハラ技研(以下KTR)
    :どのような状況で「ほぼ紙トイレ」の使用を決定されましたか?
マルハン七尾店 高橋店長様(以下高橋店長)
    :停電はしなかったのですが、断水したので「ほぼ紙トイレ」を使用することにしました。 
     携帯トイレ、簡易トイレも備蓄していましたが、携帯トイレは主に社員が自宅で使用しました。
     簡易トイレは囲いが必要だったので使用しませんでした。
KTR  :組み立てするとき「取扱説明書」や「動画」を見ましたか?
高橋店長:「取扱説明書」を見ながら組み立てました。「動画」は見ませんでした。
KTR    :「取扱説明書」で分かりづらいところはありませんでしたか?
高橋店長:特にありませんでした。
KTR       :何人くらいで組み立てましたか?
高橋店長:30~40代の男性社員4人です。
KTR       :何分位で組み立てられましたか?
高橋店長:1時間程度で2セット組み立てました。
KTR    :1時間かかりましたか?
高橋店長:作業途中に余震があり、避難、中断しながらの状況でしたので。
KTR       :組み立てについての感想をお聞かせください。
高橋店長:説明書を見ながら工具無しでスムーズに組み立てることができました。

使用状況         

KTR       :使用期間を教えてください。
高橋店長:1月3日から営業再開の1月16日までの14日間、昼夜解放していました。
     1月7日には仮設トイレが2基届いたのですが「ほぼ紙トイレ」も使い続けました。
KTR     :主にどなたが使用されましたか?
高橋店長:ほとんどが近隣住民の方です。お店を閉めていたこともあり社員の使用は少なかったです。
     若者だけでなくお年寄りも使用されていました。
                  近隣の方々に非常に感謝されました。
                  X(旧Twitter)で「トイレが使える」という情報を載せると一気に10万ツィートになりました。
     他の地域からも来られた方はいたと思います。
KTR       :それだけ多くの方がトイレを探し求めていたということですね。
           皆さんに感謝されたというのは本当に嬉しいですね。 備蓄していたからこそですね。
KTR       :使用中は誰が管理されましたか?
高橋店長:スタッフが管理しました。出社時、退出時にチェックしました。
KTR       :使い方はいかがでしたか?
高橋店長:皆、きれいに使用してくれていました。
KTR       :臭いはどうでしたか?
高橋店長:「ほぼ紙トイレ」は臭いはしませんでした。途中で届いた「仮設トイレ」は臭かったです。
KTR  :「仮設トイレ」は回収後清掃するのですが、浸み込んでしまった排泄物の臭いは無くならないのです。
KTR       :トイレットペーパーはタンクに落ちましたか?
高橋店長:落ちました。
KTR  :その他の感想、気になった事があれば教えてください。
高橋店長:洋式トイレ(洋便器)なのは良かったです。
高橋店長:プライバシーも確保されていましたし音も気にならなかったです。
高橋店長:LED照明がちょっと暗かったのでランタンを2つ用意しました。
    (※KTR:2022年9月出荷分よりLED照明の仕様が変更され、より照度が上がっております。)
高橋店長:風雨が強いときもありましたが本体は大丈夫でした。
     水分で階段だけ弱くなってきたので途中でレンガに置き換えました。
高橋店長:体重100kgのスタッフが使用した時(本体が)揺れたので不安がっていました。
KTR  :タンク(床)は耐荷重200kg以上ありますので大丈夫なのですけれど。
KTR  :特に困ったことはありましたか?
高橋店長:タンク内の(排泄物の)溜まりの確認が難しかったことです。
     1台目のタンク内で中央で山型に溜まっていたのでタンクを交換しようとしたら実際は満タンにはなって
      いませんでした。  (そのタンクは再び使用されたとのことです。)
KTR  :バイオ製剤を希釈して使用いただくか、途中でタンクに水を足して頂くと排泄物はなだらかになります。
KTR  :実際にタンクはどれ位の量まで使用されましたか?  
高橋店長:ほぼ満タンとなるまで使用しました。

処分    

KTR  :処分についてですが、し尿処理は自治体が行いましたか?
高橋店長:自治体(七尾市)はまだ機能していない状況でしたのでそれもあるでしょうが、タンク(の中)を清掃して
     回収を待つように言われました。
KTR  :法人であることも関係していると思います。
     自治体としては企業様には自己負担で協力いただけるとありがたいという思いもあるかと、、、。
高橋店長:今回は自治体の回収を待たずに民間の産廃業者に依頼して、仮設トイレの回収時に「ほぼ紙トイレ」のタンク
     ごと排泄物処理をしました。
KTR  :民間業者による処理費用はいくらぐらいかかりましか?
高橋店長:処理費は2セットで3万円くらいでした。
KTR  :処分が完了したのはいつでしたか?
高橋店長:3月でした。保管している間も、処分する時も「ほぼ紙トイレ」は臭いがありませんでした。
KTR  :上物(タンク以外)はどうしましたか?
高橋店長:可燃ごみとして自分たちで処分しました。
          
KTR  :「ほぼ紙トイレ」の総合的な評価をお願いします。
高橋店長:今回の災害時のMVPは「ほぼ紙トイレ」です。 とても役に立ちました。
KTR  :お役に立てて本当に良かったです。
             本日はありがとうございました。        
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能登半島地震から半年がたちました。  (ヒアリング実施2024年7月1日)
現地ではまだ復興には程遠い状況にある方々も多くおられる中、弊社としても当時の状況をお聞きするタイミングに悩みましたが
被災地でのトイレの実態と今後の商品改善の参考にさせていただくためにヒアリングを申し入れ、BCP対策担当細野様のご尽力に
より実現することができました。       
また今回のヒアリングでは、株式会社マルハン様が地震発生から営業再開まで詳細に被災経験を総括され、その情報を全社で共有し
今後に備えられていることを知りました。  
今回のような災害時はもちろん、平常時から常に「場」の提供を軸にした店舗の在り方を追求されています。
株式会社マルハン様のような姿勢で地域を支える企業が増えていくことを願うばかりです。  
          
改めてヒアリングにご協力いただきました株式会社マルハンの皆様に御礼を申し上げます。